
・TOEIC IPテストってなに?
・IPテストとTOEIC公開テストとの違いは?
・IPテストのスコアは履歴書に書いてOK?
・IPテストは、公開テストよりも簡単?
そんな疑問に答えます。
私は、公開テストもIPテストも複数回受けたことがあります。
また、会社員をしているので、TOEICのスコアが企業でどう扱われているかも理解しています。
自分の経験に基づいて、TOEIC IPテストについて解説します。
結論からいうと、
IPテストのスコアは、履歴書に書いてOKです。
ただし、TOEIC L&R IP ○○○点と書くのが無難です。
TOEIC IPテストとは
TOEIC IPテスト
TOEIC IPテストは、大学、語学学校、会社などが、学生や社員に対して行うTOEICテストです。
IPはInstitutional Program(団体特別受験制度)の略です。
大学等が、TOEIC IPテストの開催を自学の学生や社員に案内し、希望した人が受ける、という流れが多いです。
新入社員全員に対して、TOEIC IPを受けさせる会社もあります。
会場は、その大学の教室や会社の会議室です。
TOEICの運営団体IIBCが行うTOEIC公開テストとは異なり、IPテストでは大学職員や人事部の社員が試験監督を務めます。
また、TOEIC IPテストではTOEIC公開テストの過去問が使用されます。
そのため、TOEIC IPテストのスコアは、TOEICの公式スコアとは別のものとして区別されています。
ただし、公開テストであっても、TOEIC IPであっても、スコアの評価基準は同じです。
きちんと公式サイトに書かれています。
また、企業内で受けられるTOEIC L&Rはどうですか?
TOEIC L&Rの試験問題は公開テストの度毎に、新しい問題が作成されていますが、毎回のテスト毎に評価基準にズレがでないようにEquatingと呼ばれる難易度の調整が行われています。
これは世界最大のテスト開発公共機関であるETSのノウハウを駆使してはじめてできることであり、そのための統計学の専門家がこれにあたっています。一方、TOEIC L&R団体特別受験制度(IPテスト)に使われる問題は、過去に公開テストで使用されたものです。
ですから評価基準は公開テストが実施された際に、既にできあがっていますので、こちらも変わらずに同じ評価基準で採点されています。
(出典:IIBC公式サイト よくある質問>テストの内容について、太字は筆者による)
そのため、TOEIC IPテストのスコアは「公式スコア」ではないですが、
難易度は同じで、同じ人がTOEIC IPテストとTOEIC公開テストを受けたら、同じスコアが出る、ということになります。
TOEIC IPテストは誰でも受けられる?
TOEIC IPテストは、誰でも受けられるわけではありません。
TOEIC IPテストは、個人ではなく、組織単位で申し込むテストです。
そのため、あなたが所属している大学や会社がTOEIC IPテストを導入していないと受けることができません。
TOEIC IPテストとTOEIC公開テストとの違い
TOEIC IPテストと公開テストの違いをまとめます。
IPテスト | 公開テスト | |
テスト問題 | 公開テストの過去問 | 新しく作成された問題 |
会場 | 大学の教室、会社の会議室 | IIBCが指定する会場(学校や公共機関の施設) |
試験日 | 大学、会社が指定 | 年10回(2月、8月を除く毎月。2020年は変則的。) |
受験料 | 4,230円 | 6,490円 |
試験の運営 | 大学職員、人事部社員 | IIBC(TOEICの運営団体) |
テスト結果 | スコアレポート | 公式スコア認定証 |
結果が出るまでの期間 | 団体により異なる | 試験日から30日以内 (オンライン申込の場合は、17日後にオンラインでスコア確認が可能) |
大きく違うのは受験会場です。
IPテストでは、通いなれたキャンパスや会社で受けることができ、利便性が高いです。
また、IPテストの方が、値段が2,000円以上安いです。
テスト結果は、TOEIC IPでは、「TOEIC Listening & Reading Institutional Program (IP) Score Report」(スコアリポート)が発行されます。
TOEIC公開テストの場合は、「TOEIC Listening & Reading OFFICIAL SCORE CERTIFICATE」(公式スコア認定証)が発行されます。
大きな違いは、公式認定証の方にだけ、受験者の写真が入ることです。
その他の内容(リスニング、リーディングの結果に対するコメントや正答率など)は、まったく同じです。
受験者本人に結果が通知されるまでの期間は、IPテストではその団体により異なります。
急いで結果が欲しい場合は、事前に団体受験の申込担当者に確認をしたほうがベターです。

安いならIPテストがいいな。
IPテストは公開テストよりも簡単?
IPテストは公開テストより簡単という声をよく聞きます。
私は両方とも複数回受けていますが、どちらが簡単ということはありません。
単に、TOEICの問題の難易度が毎回ほんの少しずつ違うだけです。
問題の難易度が違っても、同じ英語力の人には同じスコアがでるように、TOEICの採点では調整が行われます。
もし問題が少し簡単だったとしたら、低めのスコアがでます。
逆に問題が少し難しいときは、高めのスコアが出ます。
ですので、問題が簡単に感じた・難しく感じたというのは、実はTOEICのスコアには関係ありません。
ただ、IPテストでは過去問を使うため、運が良ければ、似たような問題が市販の問題集にすでに載っているかもしれません。
そういう意味では、IPテストの方がスコアが伸ばしやすいといえます。
IPテストのスコアは履歴書に書いてOK?
IPテストのスコアは履歴書に書いてOK
IPテストのスコアは履歴書に書いてOKです。
こちらも公式サイトに書かれています。
A.:できます。ただし、提出先独自の指標を設けている場合があるため、スコアを活用する際には提出先へのご確認をお勧めします。(出典:IIBC公式サイト 団体担当者向けページ よくある質問)
公式スコアとIPテストのスコアは一応別物なので、
「TOEIC L&R IP ○○○点」というような書き方だと安心です。
普通の就活であれば、履歴書に書くスコアを公式スコアしか認めないという企業はまずないです。
企業側としては、英語力がTOEICでは何点なのかさえわかればよく、TOEIC IPでも公開テストでも関係ないためです。
実際、多くの企業が自社でIPテストを実施し、社員の評価に利用していることからも、「大学が実施したIPテストだからスコアとして信用できない」という主張は考えにくいです。
よほど英語必須な企業でない限り、公式認定証やスコアリポートのコピー(つまり、スコアの証拠)を求められることもありません。
実際、私は1社も提出しませんでした。

ひどい話だけど、TOEICが何か知らなくて、センター試験の英語の点数を適当に○倍して履歴書に書いた、という人もいたな。
ちなみに、履歴書に書けるスコアは600点以上(国内市場だけの企業では500点以上)が目安です。詳しくは以下の記事で書いています。

IPテストのスコアが使えない提出先とは?
TOEIC IPテストのスコアはNGで、公開テストのスコアしか使えない提出先もあります。
全国通訳案内士試験
TOEIC900点以上を取得していると、1次試験の英語の筆記試験が免除となりますが、
公式認定証のコピーの提出が必要です。
そのため、公開テストを受ける必要があります。
英語圏の大学、大学院
少数ですが、TOEICのスコアを入学の条件としている英語圏の大学があります。
大学への願書に添付する場合は、TOEICの公式スコアが必要です。
そのような場合、TOEIC等の公式書類(official documentation等)が必要と案内されているので、公式認定証が必要とわかります。
(ただし、そもそもTOEFL、IELTSなどのTOEIC以外の英語スコアを要求している大学がほとんどです。)
ということで、ほとんどの場合、TOEIC IPでいけることがわかりました。
TOEIC IPの方が値段も安いのですが、試験会場の環境がよくないときもあります。
詳しくはこちらの記事のテクニックNo.1をご覧ください。



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